「〇〇(僕の名前)ってシステムエンジニアでしょ? パソコン詳しいよね。私、RAW現像やりたいから良い感じのPC選んでよ!」
これ、SEあるあるですよね。世間では「SE=秋葉原のパーツショップの店員さん並みにPCのハードウェアに詳しい」と思われがちですが、実態は「コードは書くけど、最新のグラボやメモリの型番なんて正直よく分からん……」という人も多いはず。僕もまさにそのタイプです。
そんな僕の元に、カメラが趣味の姉から「RAW現像用のパソコンが欲しい」という、ざっくりした丸投げ相談が飛んできました。
姉はCPUやメモリといった言葉すら知らない完全な素人。一方で、やりたいことを聞けば「PhotoshopやLightroomをサクサク動かしたい」「今は2000万画素のカメラだけど、近いうちに5000万画素の機種に買い換えたい」と、要求だけはプロ級です。
「これは適当に選んだら後で恨まれるやつだ……」
そう直感した僕は、SEのプライドにかけて(重い腰を上げつつ)徹底的にリサーチを開始しました。しかし、そこから「10万円の値上がりによる断念」「Amazonでの不正利用誤認キャンセル」といった、予想だにしないトラブルの連発が待ち受けていたのです……。
本記事では、PCに詳しくない僕が調べ尽くして辿り端いた「RAW現像に本当に必要なスペック」と、二転三転した末に姉が手にした「究極のクリエイターPC」を紹介します。
これからRAW現像を始めたい、あるいは家族にPCを選んであげなきゃいけないという方の参考になれば幸いです。
RAW現像用PC選び、SEの僕が本気で調べて分かった「必須スペック」
「SEなんだからPC詳しいでしょ」という姉の無茶振りに応えるため、重い腰を上げて最新のPCスペックを徹底的に洗い出しました。
RAW現像、特にAdobeのPhotoshopやLightroomを使う場合、単に「動作する」スペックと「快適にクリエイティブに没頭できる」スペックには天と地ほどの差があります。特に姉が狙っている5000万画素クラスの高画素機を扱うとなると、生半可なPCではフリーズの連発でストレスがマッハです。
僕が調べ尽くした結果、2026年現在の「負けなしスペック」はこれでした。
2000万画素から5000万画素へ。将来を見据えたパーツ構成
今の姉のカメラは2000万画素ですが、次に買う予定の5000万画素機になると、1枚あたりのデータ量は倍以上に膨れ上がります。
RAWデータの一枚一枚が重くなれば、写真を開く速度、フィルターの適用、そして何百枚という書き出し作業すべてに時間がかかります。「今のカメラで動けばいい」ではなく、「3年後の高画素機でもサクサク動く」という視点が、買い替えコストを抑える最大のコツです。
Photoshop・Lightroomを快適に動かす「3つの神器」
調査の結果、以下の3点は絶対に妥協してはいけないラインだと確信しました。
- CPU:AI処理を支える「Core Ultra 7」以上
最近のLightroomは「AIノイズ除去」などAI機能が目玉です。最新のIntel Core Ultraシリーズは、AI処理専用の「NPU」を搭載しているため、これまでのCPUとは処理の次元が違います。ここはケチらず「Ultra 7」以上が鉄板です。 - メモリ:32GB以下は検討の余地なし?
「16GBあれば十分」という記事も多いですが、それはあくまで「動く」レベル。5000万画素のRAWファイルを扱いながらブラウザで調べ物をして……なんてマルチタスクをするなら、32GBは必須です。メモリ不足で動作がカクつくのは、クリエイターにとって最大の敵ですから。 - GPU:書き出し速度を左右する「RTX 4060」以上
「画像処理なんだから、グラフィックボード(GPU)はそこそこでいいでしょ?」は大間違い。今のAdobe製品はGPUのパワーをフルに使って爆速化しています。GeForce RTX 4060クラスを積んでおけば、AI処理や書き出し時間が劇的に短縮されます。
SEのボヤキ:
正直、調べていて「これ、ゲーミングPCのハイスペックモデルじゃん……」と思いました。でも、姉のような初心者が「PCが遅い!」とイライラせずに使い続けるには、この「余裕」こそが必要経費なんですよね。
【第1の提案】サポート重視の国内ブランド「Mouse DAIV」
PCのスペックは決まりましたが、次に悩んだのが「どのメーカーで買うか」です。
自作PCや海外メーカーに慣れている僕らと違い、姉は「コンセントを繋げば動く」と思っているレベルの超初心者。万が一トラブルが起きた時に僕が呼び出されるのは目に見えています(それだけは避けたい)。
そこで白羽の矢を立てたのが、国内生産で24時間365日の電話サポートが付いている「mouse(マウスコンピューター)」のクリエイター向けブランド、DAIVでした。
初心者には安心を。DAIV S5-I7G60SR-Aを選んだ理由
姉に提案したのは、当時の最新モデル「DAIV S5-I7G60SR-A」。
Core i7にRTX 4060、それとメモリ32GBと、僕が導き出した「勝利の方程式」をすべて満たしていました。何より、マウスコンピューターはクリエイターの声を反映した設計なので、モニターの発色もRAW現像に向いています。
「これなら間違いないよ。サポートも手厚いし、何かあっても電話で聞けるから!」
そう太鼓判を押して、購入ページをLINEで送りました。姉も「おー、なんか凄そう!これにするわ!」と乗り気。一件落着、これで僕の任務も完了……はずでした。
10万円の値上がり!?「迷ったら即買い」すべきだった後悔
数日後、姉から信じられないLINEが届きました。
「ねえ、あのパソコン買おうと思ったら、値段が10万円くらい上がってるんだけど……」
「は? そんなバカな」と思ってサイトを確認して絶句。
ちょうど世界的なメモリ・半導体の価格高騰が重なり、さらにはセール期間の終了も相まって、提案時より桁が変わるレベルで値上がりしていたのです。
慌てて姉に「なんで提案した時にすぐ買わなかったの!?」と聞くと、返ってきたのは「え、なんか他にもいいのあるかなと思って、週末にゆっくり見ようと思ってた〜」という、のんびりした回答。
PCパーツの価格は生モノ。特に昨今の為替や情勢の影響は凄まじく、数日で数万円変動することなんてザラです。ましてや10万円の差。予算オーバーで、最初の提案はあえなく白紙に戻りました。
教訓:
PC初心者にアドバイスする際は、「今すぐ買え、さもなくば価格が変わるぞ」と、脅しに近いレベルで念押ししておくべきでした……。
【第2の提案】高画質を求めてAmazonセールで見つけた「Lenovo Legion」

10万円の値上がりという絶望を前に、一度は白紙に戻ったPC選び。しかし、姉もタダでは起き上がりません。「せっかく高いお金を出すなら、画質にも妥協したくない。画面が綺麗なやつがいい!」と、さらにハードルを上げてきました。
RAW現像において、画面の綺麗さ(色の正確さやコントラスト)は生命線です。そこで僕は、液晶(IPS)ではなく、圧倒的な黒の表現力と発色を誇る「有機EL(OLED)」ディスプレイ搭載機にターゲットを絞り、再びリサーチを開始しました。
クリエイターならこだわりたい「有機ELディスプレイ」の魅力
タイミング良く、Amazonでビッグセールが開催されていました。そこで見つけたのが、「Lenovo Legion 5i(Intel Core Ultra 7搭載モデル)」。
ゲーミングPCという位置付けですが、中身はまさにモンスター級。
- ディスプレイ: 高精細なWQXGAの有機EL。色が鮮やかで、RAW現像での色調整が格段に楽しくなるスペックです。
- CPU/GPU: 最新のCore Ultra 7にRTX 4060。僕が掲げた「3つの神器」を完璧にクリア。
これがセール価格で、予算内にスッポリ収まっていたのです。「これだ!」と確信し、姉に即連絡。今度は姉も反省したのか、連絡後5分でポチったという報告が来ました。
「ふぅ、これで今度こそ終わった……」
そう胸をなでおろしたのも束の間。数日後、姉からまたしても不穏なメッセージが届きます。
まさかの強制キャンセル。Amazonの不正利用検知という落とし穴
「Amazonからメールが来て、勝手に注文がキャンセルされたんだけど……」
姉の話を整理すると、普段あまり高額な買い物をしない姉のアカウントで、いきなり20万円を超えるPCを注文したため、Amazon側のシステムが「第三者による不正利用」と誤認してロックをかけたようなのです。
慌ててサポートとやり取りをしてアカウントのロックは解除されましたが、時すでに遅し。お目当てのセール品は、その間に完売。
「安く買えるチャンスだったのに、売り切れなんてひどい!」と憤る姉。SEの僕でも、こればかりはどうしようもありません。ネット通販の「安さ」と引き換えにある、思わぬリスクに直面した瞬間でした。
SEのボヤキ:
初心者が高額なPCをAmazonで買うときは、あらかじめカード会社やAmazonの設定を確認しておくべき……なんて、普通は思いもしませんよね。この時点で僕の疲労はピークに達していました。
【最終回答】災い転じて福となす?補償で手に入れた「ASUS ProArt P16」
セール品は売り切れ、注文は勝手にキャンセル。絶望に打ちひしがれる姉でしたが、ここで意外な人物が立ち上がりました。姉の旦那さんです。
「ちゃんと注文したのに、勝手にキャンセルされて買えなくなったのはおかしい!」と、Amazonのカスタマーサポートへ猛抗議。その熱意(?)が通じたのか、Amazon側から驚きの提案がありました。
なんと、「セールで安くなった分と、現在のPC価格高騰分を考慮し、プラス10万円程度までなら、別のパソコンを実質同じ金額(差額補償)で購入できる」というのです。これには僕も、「そんな神対応あるの!?」と度肝を抜かれました。
旦那さんの交渉と神対応。10万円のプラス予算でスペックアップ!
棚ぼた式に増えた予算は、合計で約30万円後半。
これだけの予算があれば、妥協一切なしの「本気」のクリエイターPCが射程圏内に入ります。僕はすぐさま、この予算内で最高の一台を再選定しました。
そこで選んだのが、ASUS(エイスース)が誇る最高峰クリエイター向けノート「ProArt P16」です。
RAW現像の理想郷。ProArt P16がクリエイターに選ばれる理由
この「ProArt P16」、スペック表を見ただけでニヤけるレベルの怪物マシンです。
- ディスプレイ: 16インチの4K 有機EL(OLED)。色の正確さを示す「PANTONE認証」を取得しており、姉がこだわっていた「画質」の究極形です。
- 物理ダイヤル「ASUS Dial」: タッチパッドに搭載されたダイヤルで、Lightroomの露出や彩度を直感的にクルクル調整できます。これ、初心者の姉でも「操作が楽しい!」となる魔法のギミックです。
- 耐衝撃設計: 米軍規格(MIL規格)準拠。外にカメラを持ち出す姉が、万が一カバンの中でぶつけても安心な堅牢性。
「これならプロになっても文句なしのスペックだよ」と伝えると、姉も旦那さんも納得。無事、同じ手出し金額で「1ランク上の最強マシン」を手にすることができました。
SEのボヤキ:
まさかのプラス10万円補償。Amazonの判定ミスも災難でしたが、結果的にマウスコンピューターで悩んでいた時よりも遥かに高スペックな「一生モノ」のPCが手に入ってしまいました。人生、何が起きるかわかりませんね……。
PCが届いても終わらない!初心者が躓く「初期設定」の壁
最高級のクリエイターPC「ASUS ProArt P16」が無事に届き、これで僕の任務も完全終了……と思っていた僕が甘かった。数日後、姉から届いたのは、喜びの報告ではなく「ねえ、画面に変なのが出てきて進めないんだけど!」という悲鳴のようなLINEでした。
そう、PC初心者にとって最大の難所、それは「初期設定(OOBE)」です。
Microsoftアカウントって何?SEが電話越しに伝えた設定のコツ
「画面に『Microsoftアカウントを作成してください』って出てるけど、これ作らなきゃダメなの?」「Wi-Fiのパスワードってどこに書いてあるの?」
送られてくる画面のピンボケ写真を見ながら、僕は電話越しに説明を始めました。SEの僕からすれば「画面の指示通りに進めれば終わるだろ……」と思うのですが、PCに詳しくない人にとって、あの青い画面は「一歩間違えたら爆発する」と言わんばかりの恐怖の対象らしいのです。
特に、今はネット接続が必須だったり、PINコードの設定があったりと、昔よりも工程が複雑になっています。姉の「どれを押せばいいの!?」という問いに、「どれでもいいから書いてある通りにしろよ」という言葉を飲み込みつつ、優しく(?)ナビゲートしました。
結局、初心者がRAW現像PCを買うときに一番大切なこと
なんとか初期設定も終わり、ついにLightroomが立ち上がった時の姉の第一声は「え、画面めっちゃ綺麗! 写真が生き返ったみたい!」でした。
苦労した甲斐があったな……としみじみ思いましたが、今回のドタバタ劇を通じて痛感したことがあります。それは、初心者がPCを買うときは、スペック以上に「誰に相談できるか」と「勢い」が大事だということです。
- スペックの理解: SEに丸投げでもいいけど、提案されたら「即買い」する覚悟が必要。
- 初期設定の覚悟: 最新PCは高性能な分、設定も多機能。身近に相談できる人がいないなら、やはり最初に検討した「マウスコンピューター」のような24時間サポートがあるメーカーを選ぶのが正解かもしれません。
SEのボヤキ:
結局、セットアップが終わるまで2時間近く電話に付き合わされました。時給換算したら、僕もAmazon並みの補償が欲しいくらいです。でも、姉が満足そうに5000万画素のカメラを物色しているのを見ると、まあ、良い買い物の手伝いができたかな……と思うことにしました。
まとめ
後悔しないRAW現像PC選びのために
姉のRAW現像PC探しは、当初の予想を遥かに超える大冒険となりました。10万円の値上がり、注文の強制キャンセル、そして驚愕の補償劇……。
これからRAW現像のためにPCを新調しようとしている皆さんに、僕が今回の件で学んだ「失敗しないための鉄則」を3つにまとめます。
- スペックは「将来」に合わせる
今持っているカメラではなく、次に欲しいカメラ(高画素機)を見越してスペックを選びましょう。メモリ32GB、RTX 4060、Core Ultra 7は、2026年現在の「後悔しない最低ライン」です。 - 「欲しい」と思ったその瞬間が最安値
PCパーツの価格変動は情勢次第で一気に跳ね上がります。姉のように「週末にゆっくり……」なんて言っていると、10万円の差額を払う羽目になるかもしれません。「これだ!」と思ったらその場でポチる。これが鉄則です。 - サポートか、スペックか。自分のレベルで選ぶ
初期設定に不安があるなら、迷わず「mouse DAIV」のような国内24時間サポート付きを。画質やギミックにこだわり、多少のトラブルも笑い飛ばせるなら「ASUS ProArt」や「Lenovo Legion」のような外資系のモンスターマシンが最高にクリエイティビティを刺激してくれます。
姉が最終的に手にした「ASUS ProArt P16」は、RAW現像機として間違いなく「上がり」の一台です。高精細な有機ELで自分の写真を見た時の感動は、一度味わうともう戻れませんよ。
皆さんも、最高の相棒(PC)を手に入れて、思う存分シャッターを切ってください!